人事院は、改正労働基準法施行日(平成22年4月1日)に合わせて、国家公務員にも時間外労働の割増賃金率を引き上げる方針です。
改正労基法同様、月60時間を超える時間外労働に対しては割増率を5割に引き上げ、代替休暇制度も導入可能に。
秋の臨時国会での関連法改正を目指します。
中央省庁のキャリアに関しては、月100時間~200時間の残業も当たり前とか。
それにしても妙な感じがします。製造現場で働く労働者を対象とした、労働基準法の割増率をホワイトカラーのキャリアにまで適用するのは。
ホワイトカラー・エグゼンプション制度が宙に浮いたままで改正労基法で時間外割増率のみ引き上げる、というのも・・・
通常国会に法務省が提出していた改正入出国管理及び難民認定法が成立、「技能実習」の在留資格が新設されました。
現行の外国人研修・技能実習制度では、1年目に在留資格「研修」が適用され、労働法令の適用がありません。
2~3年目に在留資格が「特定活動」(技能実習)に変わり、労働法令が適用されます。ただし、63職種に限定。
改正案では、1年目から在留資格「技能実習」が適用され、労働法令も1年目から適用されます。職種は現行同様63職種に限定。
その他、不正目的で実習生を斡旋した者等を退去強制事由に追加。
改正入出国管理及び難民認定法は、平成22年7月施行予定です。
本日の夕刊各紙のトップ(と言っても日経新聞と毎日新聞しか見ていませんが・・・)を飾ったのは、2009年度の最低賃金の改定について。
厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会の小委員会は、2009年度の最低賃金改定額の目安を示しました。
全国平均が703円の最低賃金を、平均で7~9円引き上げて710円~712円とする内容ですが、35県においては現状維持(1~2円引き上げられる可能性もあるようですが)、引上げ額が最も大きいのは東京都の20~30円、最も低いのが秋田県の2円となっています。
東京都が目安額の20~30円引き上げられても生活保護費とは60円の開きがあるようです。
秋田県は目安額の9円引上げで、生活保護費との開きは2円、だそうです。
東京都で生活保護費の水準まで引き上げるのは大変なことです。しかし同じ東京都とは言っても都心部と多摩地区とを同じ額まで引き上げる、というのは現実的でしょうか?
労働新聞8月3日(第2739)号の記事によりますと、広島中央労働基準監督署は、イズミ・フード・サービス(株)と同社所属の店長を広島地検に書類送検しました。
同社は、今年2月にアルバイトを採用する際、労働基準法で定められた賃金・労働時間・その他の労働条件について記載した文書を交付しなかったようです。
今年3月にアルバイト従業員から労基署に寄せられた相談によると、口頭で店長から週5日勤務等の説明はあったものの、月の出勤日数やシフトもわからない状態でした。
そこで、同労基署はすぐに同社を是正指導しましたが、その後同人が、なんと労基法違反で告訴・告発に切り替えてしまい、司法処分となりました。
1,800人規模の会社で採用時に書面の交付をしないというのも、ちょっと驚きましたが(おそらく本社で正社員採用となれば書面を交付していることでしょう)、アルバイトの採用は店長任せで、書面など必要ないと思っていたのでしょう。
それにしても、更に驚いたのが、労働条件を書面で明示されなかったぐらいで、刑事告訴された、ということです。
他に何か、よほど腹に据えかねることがあったのでしょうか?
労働条件の書面での明示は、中小や零細企業では正社員を採用するときでさえも、なされていないのが当たり前です。
今後は、たとえ小さな会社といえども、労働条件はキチンと書面で明示し、しっかりとした就業規則も作っておくべきです。
よほど、労務管理に対して高い意識を持たないと、とんでもない目にあいますよ!!
もっとも、「法律がどうした、俺が法律だ」なんて勘違いしている社長にとっては労務トラブルは良い薬となりますが・・・
参考条文
労働基準法
(労働条件の明示)
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
第百二十条 次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十四条、第十五条第一項若しくは第三項、第十八条第七項、第二十二条第一項から第三項まで、第二十三条から第二十七条まで、第三十二条の二第二項(第三十二条の四第四項及び第三十二条の五第三項において準用する場合を含む。)、第三十二条の五第二項、第三十三条第一項ただし書、第三十八条の二第三項(第三十八条の三第二項において準用する場合を含む。)、第五十七条から第五十九条まで、第六十四条、第六十八条、第八十九条、第九十条第一項、第九十一条、第九十五条第一項若しくは第二項、第九十六条の二第一項、第百五条(第百条第三項において準用する場合を含む。)又は第百六条から第百九条までの規定に違反した者
労働基準法施行規則
第五条 使用者が法第十五条第一項 前段の規定により労働者に対して明示しなければならない労働条件は、次に掲げるものとする。ただし、第四号の二から第十一号までに掲げる事項については、使用者がこれらに関する定めをしない場合においては、この限りでない。
一 労働契約の期間に関する事項
一の二 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
二 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
三 賃金(退職手当及び第五号に規定する賃金を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
四 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
四の二 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
五 臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及び第八条各号に掲げる賃金並びに最低賃金額に関する事項
六 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
七 安全及び衛生に関する事項
八 職業訓練に関する事項
九 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
十 表彰及び制裁に関する事項
十一 休職に関する事項
○2 法第十五条第一項 後段の厚生労働省令で定める事項は、前項第一号から第四号までに掲げる事項(昇給に関する事項を除く。)とする。
○3 法第十五条第一項 後段の厚生労働省令で定める方法は、労働者に対する前項に規定する事項が明らかとなる書面の交付とする。
衆議院が解散され、未成立の法案がすべて廃案になりました。派遣期間が30日以内の日雇い派遣を原則禁止等を定めた労働者派遣法改正案、加入者による掛け金の拠出(所謂マッチング拠出)の解禁等を定めた確定拠出年金法改正案、厚生年金と共済年金を一元化、パートタイマーの厚生年金被保険者資格の適用基準緩和等を定めた被用者年金一元化法案も廃案に・・・
本日の日経第5面の記事によると、厚生労働省は、本来引き下げられるはずであった厚生年金基金の代行部分の保険料率を、来年度以降も現状維持する方針です。
景気悪化に伴う保険料の運用難で、厚生年金基金の財政は悪化、そこで保険料率を据え置いて、保険料収入の維持を図ることになりましたが、料率の引き下げを期待していた加入者にとっては残念・・・・料率の引き下げを知っていた加入者がどれだけいるか、わかりませんが。
現在、社会保険労務士などの年金記録第三者委員会によって、公的年金の記録漏れを回復する作業が続いていますが、本日の日経朝刊第5面の記事によると、地域間で処理率に相当な格差が生じているようです。
トップの山形県は処理率81.9%、最下位の東京都は38.3%と2倍以上の差がついています。東京都に続いて、神奈川県(50.1%)、千葉県(53.9%)も処理率が低くなっています。
年金保険料を納めた領収書等の証拠が無い人の年金記録を回復すべく、総務省に年金記録第三者委員会が設置されたのは、2007年6月のことです。
しかし、人口の多い東京都始め首都圏では、スタッフの数が足らず、処理が追いつかない状況です。
7月14日、中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)小委員会は今年度の最低賃金改定について議論しましたが、やはり、労使の隔たりは大きかったようです。
労働側は、生活保護を下回る最低賃金の解消を主張し、使用者側は当然拒否。
中央最低賃金審議会は、最低賃金が生活保護を下回る地域に関しては2008年度に、2年以内での解消を厚生労働相に答申しています。
つまり、労働側は今年度中に解消することを主張しています。ところが使用者側にしてみれば、この不況時にはとても最低賃金の引き上げは認められず、答申内容の見直しを主張。
今月中には改定の目安額が決定するようですが、果たして、引き上げられるかどうか・・・
ちなみに、最低賃金が生活保護を下回る地域は13都道府県だそうです。
2010年1月に発足する日本年金機構へは、採用されないことが決まっている懲戒処分歴のある社会保険庁職員のうち約300人が、厚生労働省に配置転換されます。
最初からわかっていたこととは言え、懲戒処分歴のある者が身分の安定した公務員のまま、まじめに働いてきた者が日本年金機構へ・・・納得のいかない職員も多いのではないでしょうか?
ところで、社会保険庁解体後、分限免職(民間企業における解雇に相当しますが、懲戒解雇ではなく退職金は支給されます。)される職員は1,000人弱となる見込みです。
社会保険庁は、標準報酬月額の改ざん問題で、改ざんされた可能性の高い65歳以上の約22,000人のうち、訪問調査を終えた19,188人の調査結果を公表しました。
記録の内容が事実と異なると答えた人は54%、社会保険事務所職員が改ざんに関与していたと答えた人は7%、名前や役職などにより社会保険事務所職員の特定ができる、と答えた人は1%いました。
社会保険庁は、62歳以上で年金をもらっていない1,628人を無作為に抽出し調査しました。
そのうち、死亡者や住所不明者を除いた685人から聞き取り調査をした結果、年金の受給資格を満たしているにもかかわらず、それを知らなかった人は32人(4.7%)でした。
複数回答方式による理由を調べたところ、社会保険庁による記録漏れが21人、会社員の妻等はかつて、国民年金に任意加入でしたが、その時期を加入期間に算入できることを見落としていた人が21人、社会保険事務所などに年金相談をしたところ、資格を満たしていない、と言われたのが4人。
62歳以上で無年金と思われる人は約73万人いると思われ、今回の調査結果から推計すると、本当は年金の受給資格があるのに無年金の人が約3万人いることになります。