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中野人事法務事務所中野 泰(なかの やすし)

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経営が苦しくなった時に思い出していただきたい解雇等に関するルール 5

解雇に関するルール、第5回です。

これまで取り扱った内容については、
下記のリンク先でご覧ください。

1 解雇が禁止されているケース
2 解雇の効力

3 解雇の手続
4 解雇事由

5 整理解雇
6 退職勧奨

7 勤務成績を理由とする解雇

今回は厳密にいうと解雇ではありませんが、
雇用期間を定めて契約する、有期労働契約の
雇止め(期間満了に伴う雇用契約の終了のこと)について、
厚生労働省発行のパンフレットを
若干ですが読みやすいように改変・追記して、
皆様にご紹介致します。

8 有期労働契約の雇止め

有期労働契約(期間の定めのある労働契約)については、
契約の締結時や期間の満了時における
紛争を未然に防止するため、
労働基準法の規定により、
締結時に書面の交付により「更新の基準」を
示すこととされているほか、
使用者が講ずるべき措置について、
「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」が
定められています。

【法令】

有期労働契約の締結時には、
契約期間とともに「期間の定めがある労働契約を
更新する場合の基準」についても、
書面の交付によって明示しなければならない事項となります。
(労働基準法第15条、労働基準法施行規則第5条)

具体的に明示すべき内容としては、
下記の通りです。

1 「更新の有無」の具体的内容の例

  ★自動的に更新する
  ★更新する場合があり得る
  ★契約の更新はしない 等

2 「判断の基準」としての具体的内容の例

  ★契約期間満了時の業務量により判断する
  ★労働者の勤務成績、態度により判断する
  ★労働者の業務を遂行する能力により判断する
  ★会社の経営状況により判断する
  ★従事している業務の進捗状況により判断する 等

「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」の
主な内容は、次のとおりです。

1 有期労働契約が3回以上更新されているか、
  1年を超えて継続勤務している有期契約労働者について、
  有期労働契約を更新しない場合には、
  少なくとも30日前までに予告をしなければなりません。
2 雇止めの予告後に労働者が雇止めの理由について
  証明書を請求したときには、
  遅滞なく証明書を交付しなければなりません。
3 有期労働契約が1回以上更新され、かつ、
  1年を超えて継続勤務している有期契約労働者について、
  有期労働契約を更新しようとする場合には、
  契約の実態及び労働者の希望に応じて、
  契約期間をできる限り長くするよう努めなければなりません。

参考 有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準

「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」は
労働基準法に基づく厚生労働大臣の告示であり、
雇止めの手続等について定めています。
罰則はありませんが、労働基準監督署において
遵守のための指導が行われます。

労働契約法による規制

有期労働契約であっても、
期間の定めのない契約と実質的に異ならない
状態に至っている契約である場合や、
反復更新の実態、契約締結時の経緯等から
雇用継続への合理的期待が認められる場合は、
労働契約法の規定により、
雇止めが認められないことがあります。

【法令】

まず、下記の2点のいずれかを
満たしているかをご確認ください。

1 有期労働契約が反復更新されたことにより、
  雇止めをすることが解雇と社会通念上
  同視できると認められる場合
  (契約の更新手続きをいい加減にしていると、
   この要件に当てはまりやすくなります。)
2 労働者が有期労働契約の契約期間の満了時に
  その有期労働契約が更新されるものと
  期待することについて
  合理的な理由が認められる場合
  (「普通にやっていれば更新するから」等と
   安易な発言をしないようご注意ください。)

上記の要件のいずれかに当てはまる場合で、
なおかつ、次の要件にも当てはまる場合、
雇止めは認められません。

1 使用者が雇止めをすることが、
  客観的に合理的な理由を欠き、
  社会通念上相当であると認められない。
  ⇒「客観的に合理的な理由」「社会通念上相当」
   という文言は、労働契約法の
   解雇の判定基準に出てくる文言と同一です。

2 労働者からの有期労働契約の
  更新の申込みがされている。
  (契約期間満了後でも遅滞なく申込みをすればOK)

雇止めが認められない場合、
使用者は、従前の有期労働契約と
同一の労働条件で労働者による有期労働契約の更新
または締結の申込みを承諾したものとみなされ、
有期労働契約が同一の労働条件
(契約期間を含む)で成立します。
(労働契約法第19条)

労働者からの更新の申込みは、
使用者による雇止めの意思表示に対して
「嫌だ、困る」と言うなど、
労働者による何らかの反対の意思表示が
使用者に伝わるものでもかまわないと解されます。

この規定は、雇止めについて、労働者保護の観点から、
一定の場合に解雇に関する法理を類推適用して
雇止めの可否を判断するとの確立した
判例上のルール(雇止め法理)が条文化されたものです。

最後に、雇用期間中に会社側の都合で
雇用契約を終了させると「解雇」になります。

有期雇用契約の解雇のハードルは、
一般に期間の定めのない契約をしている正社員の
解雇のハードルよりも高いとされています。

これは、正社員と異なり、
契約期間の終了日が決まっているにもかかわらず、
それよりも短い期間で雇用契約を終了させるからには、
それ相当のやむを得ない理由がないとダメだ、
という考えが背景にあるためです。

「アルバイトだから」「パートだから」と
安易に解雇をしていると、
アルバイトやパートとトラブルになった際、
法的には劣勢に立たされかねません。
ご注意ください。

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経営が苦しくなった時に思い出していただきたい解雇等に関するルール 4

解雇に関するルール、第4回です。

これまで取り扱った内容については、
下記のリンク先でご覧ください。

1 解雇が禁止されているケース
2 解雇の効力

3 解雇の手続
4 解雇事由

5 整理解雇
6 退職勧奨

今回は能力不足による解雇について、
厚生労働省発行のパンフレットを
若干ですが読みやすいように改変・追記して、
皆様にご紹介致します。

7 勤務成績を理由とする解雇


能力不足を理由に解雇を検討することは、
会社側の立場としてはよくあることです。

特に、経営状況が厳しい場合、
パフォーマンスが低い人には辞めてもらい、
その分人件費を浮かしつつ、
パフォーマンスが高い人の集団として、
組織をスリムアップしたいと考える
経営者の方は多いのではないでしょうか?

ところが、こうしたことがトラブルとなり、
従業員とのトラブルに発展すると、
裁判で能力不足を認めさせることは
結構、骨が折れます。

実際、就業規則の普通解雇の事由を掲げる条文に
「労働能力が劣り、向上の見込みがない」ことを
掲げていたとしても、
相対評価による考課順位が下位であることをもって
直ちに著しく労働能力が劣るとはいえないとし、
さらに、労働者の労働能力の向上を図る
余地があったにもかかわらず
体系的な教育・指導が行われなかったとして、
解雇を権利の濫用と認めた裁判例があります。

【裁判例】

従業員として、平均的な水準に
達していなかったからといって、
直ちに本件解雇が有効となるわけではない。

就業規則に定める「労働能力が劣り、向上の見込みがない」に
該当するといえるためには、
平均的な水準に達していないというだけでは不十分であり、
著しく労働能力が劣り、しかも向上の見込みがないときで
なければならないというべきである。

...右人事考課は、相対評価であって、
絶対評価ではないことからすると、
そのことから直ちに労働能率が著しく劣り、
向上の見込みがないとまでいうことができない。

...さらに体系的な教育、指導を実施することによって、
その労働能率の向上を図る余地があるもあるというべきであり、
...いまだ「労働能力が劣り、向上の見込みがない」ときに
該当するとはいえない。
(東京地裁 平成11年10月15日決定)

こうした観点も踏まえ、
会社側としては、下記のような対策が考えられます。

1 相対評価ではなく、絶対評価に切り替える。
2 能力不足の社員については、
  解雇の前に下記の対策を講じる。

   1 教育・研修を行う。
   2 配置転換をする。

3 会社側からの指導の状況や、本人の成長度合い等を
  客観的に確認できる資料として残す。

こうした対策を講じれば大丈夫、とまでは言えませんが、
必要な対策ではあるかと存じます。

また、現実的には、解雇を検討する前に、
退職勧奨を行い、円満退職に向けた努力をすべきでしょう。

さらに言えば、日本の社会においては、
採用するのは簡単ですが、
解雇するには高いハードルが待ち構えています。

安易に採用せず、人材を見極める不断の努力と、
特に能力や協調性等については、
試用期間中にしっかりと見極めることが重要です。

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経営が苦しくなった時に思い出していただきたい解雇等に関するルール 3

解雇に関するルール、第3回です。

これまで取り扱った内容については、
下記のリンク先でご覧ください。

1 解雇が禁止されているケース
2 解雇の効力

3 解雇の手続
4 解雇事由

今回は整理解雇と退職勧奨について、
厚生労働省発行のパンフレットを
若干ですが読みやすいように改変・追記して、
皆様にご紹介致します。

5 整理解雇

事業を継続することが困難な場合に行う
人員整理としての使用者からの労働契約(雇用契約)の解除を
整理解雇と言います。

いわゆる「リストラ」です。

普通解雇の一種ではありますが、
一般的には、従業員側に落ち度がないにもかかわらず、
会社の都合により労働契約を解除する行為であることから、
解雇の妥当性については、厳しく判定されます。

整理解雇についても、客観的に合理的な理由を欠き、
社会通念上相当と認められない場合には、
権利の濫用として、労働契約法の規定により、無効となります。

また、次のことについて
慎重に検討を行っていただくことが望まれます。

・ 人員削減を行う必要性
・ できる限り解雇を回避するための措置を尽くすこと
・ 解雇対象者の選定基準が客観的・合理的であること
・労働組合との協議や労働者への説明を行う等、
  妥当な手続きを行うこと

 ※ 解雇回避のための方法としては、
   例えば、配置転換、出向、希望退職募集等を
   検討することが考えられます。
 ※ 人員削減を避けるために、
   労働時間の短縮(ワークシェアリング)を行うことも
   一つの方策です。

整理解雇を検討する場合は、
その前段階として、早期退職制度を設け、
自主的な退職を促したり、
退職勧奨を行って、合意の下に
退職してもらうなどをするケースが多いです。

【裁判例】


余剰人員となったというだけで解雇が可能なわけではなく、
これが解雇権の行使として、
社会通念に沿う合理的なものであるかどうかの判断を要し、
その判断のためには、人員整理の必要性、人選の合理性、
解雇回避努力の履践、説明義務の履践などは
考慮要素として重要なものというべきである。
(大阪地裁 平成12年12月1日判決)

6 退職勧奨

使用者が労働者に対して
強制ではない退職の働きかけを行うことを
退職勧奨と言います。

使用者が「退職してはどうか?」と提案する行為であり、
俗に言う「肩たたき」です。

あくまでも会社側からの提案であり、
その提案には強制力がないことから、
退職勧奨自体には法的な規制はありません。

ただし、裁判例によれば、
被勧奨者の自由な意思決定を妨げる退職勧奨は、
退職を強要することにつながり、
違法な権利侵害に当たるとされる場合があります。

【裁判例】

ことさらに多数回、長期にわたる退職勧奨は、
いたずらに被勧奨者の不安感を増し、
不当に退職を強要する結果となる可能性が高く、
退職勧奨は、被勧奨者の家庭の状況、
名誉感情等に十分配慮すべきであり、
勧奨者の数、優遇措置の有無等を総合的に勘案し、
全体として被勧奨者の自由な意思決定が
妨げられる状況であった場合には、
当該退職勧奨行為は違法な権利侵害となる。
(最高裁第一小法廷 昭和55年7月10日判決)

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経営が苦しくなった時に思い出していただきたい解雇等に関するルール 2

解雇に関するルール、第2回です。

第1回では下記の2点を取り上げました。


今回は解雇の手続きに関する基本事項と
解雇事由について、
厚生労働省発行のパンフレットを
若干ですが読みやすいように改変して、
皆様にご紹介致します。

3 解雇の手続

やむを得ず解雇を行う場合、
労働基準法にしたがって、
30 日前に予告を行うことや、
予告を行わない場合には
解雇予告手当を支払うことが必要です。

【法令】

解雇を行う場合には、解雇しようとする労働者に対して、

イ  少なくとも30日前に解雇の予告
   (予告の日数が30日に満たない場合には、
    その不足日数分の平均賃金を支払う必要があります。)
ロ 予告を行わない場合には、
   平均賃金の30日分以上の解雇予告手当の支払いを
   しなければなりません。(労働基準法第20条)

参考:ハロ-ワークへの届出や通知

やむを得ず一定期間内に相当数の離職者が発生する場合や
高年齢者・障害者・外国人を解雇する場合は、
ハローワークに届出や通知を行うことが必要です。
詳細は、こちらのパンフレットをご覧ください。

4 解雇事由

就業規則には「解雇の事由」を定めておくことが必要です。

【法令】

退職に関することは、労働条件の重要な事項です。
このため、定年制や解雇等の退職に関する事項については、
就業規則に定めておかなければなりません。
また、就業規則は、常時各作業場の見やすい場所に
掲示又は備え付けること、書面を交付すること等により、
労働者に周知しなければなりません。
(労働基準法第89条、第106条)

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18時3分までの労働。3分は切り捨ててよいか?

終業時刻が18時である場合、
ほんのちょっと残業して18時3分に業務終了、
というケース、よくありますよね。

よくあるパターンは

「うちの会社の労働時間管理は15分刻み」

等としているケース。
上記の事例ですと、18時14分までの労働は
18時までの労働とみなし、
18時15分〜18時29分までの労働は
18時15分までの労働とみなして、
残業代等を計算するというものです。

法的にはこのやり方はOUTです。
賃金には全額払いの法則というものがありまして、
働いた時間は「1分単位」で
支払うことが義務づけられています。

したがって、18時3分まで働いた場合、
3分についても労働時間としてカウントし、
法定労働時間を超えているのであれば、
割増賃金も支払う必要があります。

逆に、従業員有利にする分には構いません。
同じ15分単位の労働時間管理でも、切上げ処理をして、
18時3分の仕事に対して18時15分の労働とみなし、
15分の労働に対する賃金(場合によっては割増賃金)を
支払うのはOKです。

その他、認められている処理としては、
1ヶ月の労働時間を通算した合計時間について、
30分未満は切り捨て、30分以上は切り上げに
することは認められています。

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間違いがちな始業時刻前の残業の考え方

午前9時から午後6時までの勤務時間(途中1時間の休憩あり)の
会社があるとします。

こちらの会社の社員が午前8時に出勤して仕事をし始めました。
この場合、午前8時から始業時刻の9時までの1時間を
「早出残業」として処理すればよいでしょうか?

結論から申し上げると、そのように考えるのではありません。
1日の労働時間は、定められた就業時間に関わらず、
実際に出勤した時刻から起算します。
したがって、午前8時から勤務時間をカウントし始めますので、
午後5時から午後6時までの1時間が時間外労働となります。

なお、実際に勤務開始をした時刻から
勤務時間をカウントするという考え方は、
遅刻の際にも当てはまります。

上記の例でいえば1時間遅刻して10時勤務開始の場合、
19時までは時間外労働にはなりませんので
残業手当の支払い義務もありません。

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熱中症対策、大丈夫ですか?

徐々に日差しが強くなり、暑くなってきました。
今年の夏は暑い夏になるようです。

そんな中、厚生労働省が「熱中症を防ごう!」という
パンフレットを公表しました。

基本的には、下記のような取組みが有効のようです。

1 喉が渇いていなくても、水分・塩分をこまめに補給すること、
2 7日間程度かけて熱に体を慣らすこと、
3 涼しい格好をすること、
4 睡眠不足を避け、体調管理に気をつけること

ところで、昨今は「熱中症」という言葉がスタンダードですが、
子どもの頃は「日射病」あるいは「熱射病」と言ってませんでした?

ネットで調べてみたところ、

熱中症とは「高温の環境下での全身の障害の総称」だそうです。
この熱中症の中に「熱けいれん」「熱疲労」「熱射病」が含まれます。
そして、この熱射病のうち、太陽の熱が原因となっているもの」を
「日射病」と言うのだそうです。

不等号で表すと、下記のイメージです。

熱中症 > 熱射病 > 日射病

昨今は、エアコン等をつけずに部屋にいるお年寄りの方が
高温のサウナ状態になっていることに気づかず、
体調不良を訴えたり、重篤な症状を呈したりすることが
ニュースになるようになりました。

こうした場合は、「日射病」ではありませんけど、
熱中症には含まれるわけです。

というようなことから、
総称である熱中症の方が便利なので、
いつの間にやら熱中症という言葉を
報道機関で盛んに使うようになったようです。

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経営が苦しくなった時に思い出していただきたい解雇等に関するルール 1

経営が苦しくなると、最終的には
従業員の解雇を検討せざるを得なくなります。

ただ、解雇された従業員は、
次の日から生活の糧を得る手段を奪われますので、
生活が困窮する恐れがあります。

従業員も生活がかかっていますので、
解雇をする場合は、
従業員との間に重大なトラブルを抱える
可能性を秘めています。

そこで、企業としては、
トラブルを最小限にするためにも、
法的な観点で逸脱した行動をとらないように、
十分に気をつける必要があります。

特に、下記の法律等には十分配慮してください。

1 労働基準法
2 有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準
3 労働契約法 その他各種労働法
4 解雇・雇止め等に関する裁判例

さて、今回は解雇が禁止されている場合と
解雇の効力について、
厚生労働省発行のパンフレットを
若干ですが読みやすいように改変して、
皆様にご紹介致します。

1 解雇が禁止されているケース

一定の場合には、解雇が法律で禁止されています。

【法令】

法律で解雇が禁止されている主な場合として、
次のものがあります。

① 業務上の傷病による休業期間及びその後 30 日間の解雇
  (労働基準法第 19 条)
② 産前産後の休業期間及びその後 30 日間の解雇
  (労働基準法第 19条)
③ 国籍、信条、社会的身分を理由とする解雇
  (労働基準法第3条)
④ 労働基準監督署に申告したことを理由とする解雇
  (労働基準法第 104 条)
⑤ 労働組合の組合員であること等を理由とする解雇
  (労働組合法第7条)
⑥ 女性(男性)であること、女性の婚姻、妊娠、出産、
  産前産後休業等を理由とする解雇
  (男女雇用機会均等法第6条、第9条)
⑦ 育児・介護休業等の申出等をしたこと、
  育児・介護休業等を取得したことを理由とする解雇
  (育児・介護休業法第10 条、第 16条、第16 条の4、
   第 16条の7、第16 条の9、第 18条の2、
   第 20条の2、第23 条の2)
⑧ 通常の労働者と同視すべきパートタイム労働者について、
  パートタイム労働者であることを理由とする解雇
  (パートタイム労働法第8条)
⑨ 公益通報をしたことを理由とする解雇
  (公益通報者保護法第3条)

2 解雇の効力

①  期間の定めのない労働契約の場合

権利の濫用に当たる解雇は、
労働契約法の規定により、無効となります

【法令】

客観的に合理的な理由を欠き、
社会通念上相当と認められない解雇は、
権利を濫用したものとして、無効となります。
(労働契約法第16条)

②  有期労働契約(期間の定めのある労働契約)の場合

やむを得ない事由がある場合でなければ、
契約期間中に解雇することはできません。
期間の定めのない労働契約を結んでいる場合の解雇よりも、
解雇の有効性は厳しく判断されます。

【法令】

有期労働契約については、やむを得ない事由がある場合でなければ、
契約期間が満了するまでの間において、
解雇することはできません。
(労働契約法第17条第1項)

【労働者派遣契約が中途解約された場合】

派遣元の使用者は、派遣先との間の労働者派遣契約が
中途解除された場合でも、
そのことが直ちに労働契約法第17条の
「やむを得ない事由」に該当するものでは
ないことに注意してください。

労働者派遣法第29条の2で、
派遣先の都合により派遣契約を解除する場合には、
派遣先は派遣労働者の新たな就業機会の確保、
休業手当等の支払に要する負担等の措置を
講じなければならない旨定められています。

また、「派遣先が講ずべき措置に関する指針」で、
休業手当の支払等、労働者派遣契約の解除に伴い
生じた派遣元事業主の損害の賠償を
派遣先が行わなければならない旨が
定められていること等を踏まえ、
派遣元の使用者は、新たな就業機会の確保ができない場合でも、
休業等を行い、解雇は避けるようにしてください。

なお、企業側の都合で派遣労働者を休業させた場合には、
派遣元の使用者は、派遣労働者に対して
休業手当を支払うことが必要です。

なお、休業手当については、
【コチラ(3 休業手当の支払)】を御参照ください。

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経営が苦しくなった時に思い出していただきたい労働条件の変更に関するルール

経営が苦しくなってくると、
給与カットに代表される労働条件の引き下げを
検討する可能性が高くなります。

そこで、労働条件の引き下げに関する
労働法の規定についてまとめてみました。

なお、労働条件の引下げ等を行う場合には、

法令等で定められた手続き等を遵守するとともに、
事前に十分な労使間での話合いなどを行うことが必要です。

1 合意による変更

労働契約の変更は、労働者と使用者の
合意により行うのが原則です。
(労働契約法第3条)

労働者と使用者が合意すれば、
労働条件を変更することができます。
(労働契約法第8条)

2 就業規則による変更

使用者が一方的に就業規則を変更して、
労働者の不利益に
労働条件を変更することはできません。
就業規則によって労働条件を変更する場合には、
内容が合理的であることと、
労働者に周知させることが必要です。

【法令】

使用者が一方的に就業規則を変更して、
労働者の不利益に
労働条件を変更することはできません。
(労働契約法第9条)

使用者が、就業規則の変更によって
労働条件を変更する場合には、
次のことが必要です。
(労働契約法第10条)

 1 その変更が、以下の事情などに照らして合理的であること。
    ・ 労働者の受ける不利益の程度
    ・ 労働条件の変更の必要性
    ・ 変更後の就業規則の内容の相当性
    ・ 労働組合等との交渉の状況
 2 労働者に変更後の就業規則を周知させること。

就業規則の作成や変更にあたっては、
事業場に、労働者の過半数で組織する
労働組合がある場合はその労働組合、
労働者の過半数で組織する労働組合がない場合は
労働者の過半数を代表する者の意見を
聴かなければなりません。(労働基準法第90条)

参考:労働契約法

労働契約法は、労働契約の基本的なルールを定めています。
罰則はありませんが、解雇等に関して、
民法の権利濫用法理を当てはめた場合の判断の基準など、
私法上の効果を明確化するものです。
民事裁判や労働審判は、
労働契約法の規定を踏まえて行われます。

3 配置転換・出向

A 配置転換

配置転換を命じるには、就業規則等にその根拠を
置いていただくことが望まれます。
裁判例によれば、配置転換命令の業務上の必要性と
その命令がもたらす労働者の生活上の
不利益とを比較衡量し、
権利濫用に当たるかどうか
判断される場合があるとされています。

【法令】

事業主は、従業員に就業場所の変更を伴う
配置の変更を行おうとする場合に、
その就業場所の変更によって
子育てや介護が困難になる従業員がいるときは、
当該従業員の子育てや介護の状況に
配慮しなければなりません。
(育児・介護休業法第26条)

【裁判例】

転勤命令について、業務上の必要性がない場合
または業務上の必要性がある場合であっても、
他の不当な動機・目的から転勤命令がなされたとき、
もしくは転勤命令が労働者に対し
通常受け入れるべき程度を著しく超える
不利益を負わせるものであるときには、
その転勤命令は権利の濫用になる。
(最高裁第二小法廷 昭和61年7月14日判決)

B 出向

(在籍)出向を命じるには、
個別的な同意を得るか、
または出向先での賃金・労働条件、
出向の期間、復帰の仕方などが
就業規則等によって
労働者の利益に配慮して
整備されている必要があります。
出向の命令が、その必要性、
対象労働者の選定等に係る
事情等に照らしてその権利を
濫用したものと認められる場合には、
その命令は無効となります。
(労働契約法第14条)

転籍については、労働者本人の同意(合意)を要するので、
使用者は一方的に労働者に転籍を命じることはできません。

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経営が苦しくなった時に思い出していただきたい賃金の支払いに関するルール

経営が厳しい状況におかれると、
従業員への賃金の支払いが重くのしかかってきます。

一方で、従業員には、自分の生活がありますので、
会社から賃金が支払われないなどのことがあると、
生活に窮してしまいます。

経営者からしてみると、
苦渋の選択を迫られることになります。

厚生労働省発行のリーフレットを土台に、
若干分かりやすい言葉に改めながら、
こうした場合に思い出していただきたい
労働法による規定をまとめてみました。


1 賃金の確実な支払い

賃金は、労働者にとって重要な生活の糧であり、
法は確実な支払いを求めています。

【法令】
賃金は、①通貨で、②直接労働者に、
③全額を、④毎月1回以上、⑤一定の期日を定めて
支払わなければなりません。(労働基準法第24条)

2 退職金・社内預金の確実な支払等のための保全措置

退職金は労働者の退職後の生活に重要な意味を持ちます。
また、社内預金は労働者の貴重な貯蓄です。
こうしたことから、企業が倒産した場合であっても、
労働者にその支払いや返還が確実になされなければなりません。

【法令】
退職金制度を設けている場合にも、
確実な支払のための保全措置を講ずるように努めなければならず、
また、社内預金制度を行う場合には、
確実な返還のための保全措置を講じなければなりません。
(賃金の支払の確保等に関する法律第3条、第5条)

3 休業手当の支払

企業側(使用者)の都合で休業させた場合には、
労働者に休業手当を支払い、
一定の収入を保障する必要があります。

【法令】
一時帰休など企業側の都合
(使用者の責に帰すべき事由)により
所定労働日に労働者を休業させた場合には、
休業させた日について
少なくとも平均賃金の100分の60以上の
休業手当を支払わなければなりません。
(労働基準法第26条)

ご参考:未払賃金の立替払制度の概要

未払賃金の立替払制度は、企業倒産に伴い、
賃金が支払われないまま退職した労働者に対して、
未払となっている賃金の一部を、
国(独立行政法人労働者健康福祉機構)が
事業主に代わり、立て替えて支払う制度です。
立替払の対象となる未払賃金は、
退職日の6か月前以降の未払賃金で、
①定期賃金(休業手当を含む。)、
②退職金が対象となります。

※ 立替払を行った場合、
  国(独立行政法人労働者健康福祉機構)は、
  立替払金に相当する金額を、
  事業主等へ求償することとしています。

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小さな会社で従業員との信頼関係を築くコツ その2

前回のブログで、信頼関係を築くコツは
「他人を変えようとせず、自分を変えよう」ということを挙げました。

その他、「従業員に対して心からの思いやりを持つ」
ということも挙げられます。

簡単に言えば、従業員が喜ぶことをする、
従業員が嫌がることはしない、ということです。

これは従業員に媚を売るということではありません。
ダメなものはダメと叱る場面や注意をする場面も当然あります。

でも、こうした注意や叱責は、
自分の会社の損失につながるからするのではなく、
従業員のためにならないから叱りたいものです。

そして、こうしたことに無理をしてもいけません。

たくさんの賞与をあげれば、従業員は喜びますが、
支払えるお金にも限界がありますから、
継続的にできることを続けた方がいいです。

従業員にしてあげられることはいろいろとあるでしょうけど、
一番経営者がしてあげるべきことは、
仕事にやりがいを感じてもらえる支援です。

笑顔で仕事ができて、しかも充実した仕事。
従業員がした仕事を受け取る人からは感謝の言葉。

このようなサイクルができるよう、
できる限り支援をしていくと、
従業員も、あなたのおかげと気がつくかどうかは別ですが、
素晴らしいモチベーションで働いてくれるという、
経営者にとっては最高のお返しをしてくれると思います。

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お客様や社員等、周りの人から信頼されるコツ

人間誰しも、一人で生きているわけではありません。
多くの人に囲まれ、支え合って生きています。

多くの人と関わり合って生きていく以上、
周りとの信頼関係を維持・向上させていくことは
とても大切です。

そして、周りの人に信頼を寄せてもらえることほど、
幸せなことはありません。

また、会社を経営している人であればなおさら、
お客様や取引先、自社の従業員との信頼関係は不可欠です。

それでは、こうした信頼関係を
維持・向上していくための秘訣は何でしょうか?

これもたくさんあるのでしょうけれど、
秘訣の一つは、『約束を守る』ということです。

約束をするということは、
相手に何かを期待させることであり、
約束を破るということは、
相手の期待をしぼませることにつながります。

仕事とは、約束のカタマリのようなものです。
「〇〇までに〇〇を提出する」
「〇時にお客様とミーティングをする」など、
約束だらけです。

もちろん、生きていれば、
約束を守れないこともあります。
守れない時点で連絡を入れるなり、
お詫びをして新しい約束をする等、
そういう時にはフォローが大切になりますが、
根本は、最初から約束を守ることを繰り返していくことです。

だいたい、何事も親が子どもにしつける時に言うセリフが
そのまま大人の世界にも当てはまると言っていいと思います。

約束を守る。
簡単なことですけど、続けることは難しいです。
でも、約束を守り続けられる人が
周りからの信頼の基礎となるのではないでしょうか。

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小さな会社で従業員との信頼関係を築くコツ

大きな会社もそうでしょうけど、
小さな会社であれば、従業員数が少ない分、
本当に一枚岩にならないと、
会社の経営に支障をきたすことがままあります。

ところが、中には社長と従業員の関係が
うまくいかず、悩んでいる経営者の方もいます。

経営者も人間ですからね。
得手不得手もありますし、性格に偏りもあります。

従業員とうまくやりたいと思ったら
何からどう手をつければいいのでしょうか?

「唯一の正解」等どこにもありませんが、
私には定石のようなものがあります。

従業員を変えようとせず、自分を変えよう!

従業員に自分を信頼させようとアプローチするのではなく、
まずは自分が従業員を信頼するようにする、とか、
従業員に自分の考えを知ってもらおうとするのではなく、
まずは従業員の考えを知るように努力する、とか。
従業員の欠点をあげつらう前に、
自分の欠点を素直に認める、とか。

そして、信頼関係の第一歩は
会話から生まれますが、
会話も「話す」のではなく
「聴く」ことに重点を置くことがポイントです。

人間というのは、多かれ少なかれ、
自分のことを知ってほしいという本能的な欲求がありますが、
他人のことを知りたいという本能的な欲求はありません。
他人のことを知るというのは、欲求ではなく、意志なのです。

まずはリーダーが従業員のことを知るとか、
従業員の中に飛び込む等の意志を持って行動することが大切です。

こうしたリーダーの姿に触発され、
自分のことを理解しようとしてくれていることを従業員が感じれば、
「そういや社長はどうなんですか?」と
自然と耳を傾けてくれるようになります。

ここで初めて自分の話をするというのが、
私が考える定石です。

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育児休業後の職場復帰を円滑にするためのコツ

育児休業を終えて職場に復活しても、
仕事に専念しずらい状況が生まれることがあります。

ありがちなのが、子どもが病気になってしまうケース。

当社のスタッフの場合も、
働いている最中に保育園から
電話がかかってくることがあります。

「お子さんが熱を出したので、すぐに迎えに来てほしい」

との電話です。

そうなると、仕事が途中であっても、
職場を離脱せざるを得なくなります。

本人も好きで離脱するわけではありませんので、
周りの理解が大切です。

こうした理解を促進するのに一番いいのは、
事前に、周りのスタッフに子どもを見せておくことです。
(可能ならば、抱っこさせるとさらにいいです。)

子どもの顔を見せていれば、

「あー、あの○○くん(○○ちゃん)が
 熱を出したのか。かわいそうだなぁ。」

と共感しやすくなります。

そこで、ある会社では、職場復帰の前に
お子さんを連れて来社してもらい、
皆でお子さんを囲んでランチ会をしています。

頭の中で「あの人にも赤ちゃんがいる」と想像するよりも、
赤ちゃんを現実に見て触った方が、
はるかにイメージがしやすいですし、
理解や共感が生まれやすくなります。

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