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中野人事法務事務所中野 泰(なかの やすし)

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1年単位の変形労働時間制と休日の特定

「7月から9月までの間に労働者の指定する
 3日間について休日を与える」
というような制度がある会社が
1年単位の変形労働時間制を採用することになりました。

上記3日間については、休日が特定されないこととなりますが、
この特定されない3日間を労働日から除外して
協定することはできるでしょうか?
(労働日=全期間の暦日数-特定された休日-3日間)

1年単位の変形労働時間制を導入する場合は、
労使協定で労働日を特定することが求められています。

労働日を特定するということは、裏を返すと
休日を特定することでもあります。

今回の事例のように変形期間開始後にしか
休日が特定できない場合は、
労働日が特定されたことにはなりません。
(平成6年5月31日 基発330号)

1年単位の変形労働時間制を採用したい場合は、
3日間の休日をあらかじめ特定する制度に改めることが
求められます。

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複数の1年単位の変形労働時間制を走らせることは可能か?

一つの事業場で、起算日や対象従業員の異なる
複数の一年単位の変形労働時間制を
並行して採用することはできるのでしょうか?
(例:中途採用者を一年単位の変形労働時間制の対象とする場合等)

適用対象となる従業員が明確にされていれば、採用できます。

ただし、それぞれの一年単位の変形労働時間制ごとに労使協定を締結し、
届け出ることが必要です。
(平成6年5月31日 基発330号)

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1年単位の変形労働時間制の概要は?

【1年単位の変形労働時間制とは?】

労使協定を締結することにより、1ヶ月を超え1年以内の一定期間を平均し、
1週間の労働時間を40時間以下の範囲以内にした場合、
特定の日や週について1日及び1週間の法定労働時間を超えて労働させることができる制度です。

業務に繁閑のある事業場において、
繁忙期に長い労働委時間を設定し、かつ、閑散期に短い労働時間を設定することにより
効率的に労働時間を配分して、年間の総労働時間の短縮を図ることを目的にしたものです。

この労使協定は労働基準監督署長に届け出る必要があります。
1年単位の変形労働時間制を実施する時には、
書面による労使協定で次の5項目について定めることとされています。

1 対象労働者の範囲
2 対象期間及び起算日(対象期間:1ヶ月を超え1年以内の期間に限ります)
3 特定期間
4 対象期間における労働日及び労働日ごとの労働時間
5 労使協定の有効期間

1年単位の変形労働時間制に関する労使協定を締結した場合は従業員に周知し、
所轄労働基準監督署長に届け出る必要があります。

また、常時10人以上の従業員を使用している事業場については、
1年単位の変形労働時間制を採用すること等を就業規則に記載したうえで、
これを労働基準監督署長に届け出ることとされています。

【対象労働者の範囲は?】

1年単位の変形労働時間制により労働させる従業員の範囲を
労使協定で明確にしなければいけません。
なお、勤務期間が対象期間に満たない途中採用者・途中退職者等についても
賃金の精算を条件に本制度の適用が認められています。

【対象期間及び起算日は?】

変形労働時間制の対象期間は、その期間を平均して1週間当たりの労働時間が
40時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、
1ヶ月を超え1年以内の期間に限ります。

最長期間は1年間です。
期間が1年以内であれば、3ヶ月、4カ月、半年等の対象期間を採用することも可能です。

【労働日と労働時間の特定について】

対象期間を平均して、1週間の労働時間が40時間を超えないように
対象期間内の各日、各週の労働時間を定めることが必要です。
これは対象期間の全期間にわたって定めなければなりません。

ただし、対象期間を1ヶ月以上の期間に区分することとした場合には
下記の4点を定めればよいこととなっています。

1 最初の期間における労働日
2 最初の期間における労働日ごとの労働時間
3 最初の期間を除く各期間における労働日数
4 最初の期間を除く各期間における総労働時間

この場合でも、最初の期間を除く各期間の労働日と労働日ごとの労働時間については、
その期間の始まる少なくとも30日前に労働組合
(労働組合がない場合には労働者の過半数を代表するもの)の同意を得て、
書面により定めなければいけません。

なお、対象期間を通した所定労働時間の総枠は、次の計算式によることになります。

対象期間における所定労働時間総枠≦40時間×(対象期間の暦日数/7)

※参考:対象期間が1年間の場合、約2085時間となります。

【労働日数の限度について】

対象期間における労働日数の限度は、原則として1年当たり280日となります
(対象期間が3ヶ月以内の場合は、制限はありません。)。

対象期間が3ヶ月を超え1年未満の場合は、下記計算式で上限日数が決まります。
通常の年は1年間で365日ですが、閏年は366日です。

計算式:280日×対象期間中の暦日数÷365日

例:対象期間が平成●年1月1日から6月30日までの6カ月(総暦日数181日)の場合は
280日×181日÷365日=138.84となり、138日が限度となります。

ただし、対象期間が3ヶ月を超える場合であって、
前年度において、3ヶ月を超える期間を対象期間とする協定
(以下「旧協定」といいます)があった時は、
旧協定の1日または1週間の労働時間よりも新協定の労働時間を長く定め、
及び1日9時間または1週48時間を超えることとしたときは、
1年間の労働日数を280日または、旧協定の労働日数から1日を減じた日数のうち
いずれか少ない日数としなければいけません。

【対象期間における連続労働日数と特定期間について】

連続労働日数は原則として最長6日までです。
ただし、「特定期間」を設ければ1週間に1日の休日が確保できる日数(最長12日)
とすることができます。

なお、「特定期間」とは労使協定により対象期間のうち
特に業務が繁忙な時期として定められた期間をいいます。

【1日・1週間の労働時間の限度】

1年単位の変形労働時間制には、1日・1週(対象期間の初日の曜日を起算とする7日間。
以下同じ。)労働時間の限度が定められており、
1日10時間、1週52時間が限度時間です。
(隔日勤務のタクシー運転者の1日の限度時間は16時間です。)

この場合、対象期間が3ヶ月を超える時は、
この限度時間を設定できる範囲には次のような制限があります。
(ただし、積雪地域の建設業の屋外従業員等に対する1年単位の変形労働時間制については
 制限がありません。)

1 対象期間名中に、週48時間を超える労働時間を定めるのは連続3週間以内とすること。
2 対象期間を初日から3ヶ月ごとに区切った各期間
  (3ヶ月未満の期間がある場合にはその期間)において、
  週48時間を超える労働時間を定める週の初日の数が3以内であること。

【割増賃金の支払い方は?】

労働時間が法定労働時間を超えた場合には、
その超えた時間について割増賃金を支払うことが必要です。

次の時間については時間外労働となり、割増賃金を支払う必要があります。

1 1日の法定時間外労働

労使協定で1日8時間を超える時間を定めた日はその時間、
それ以外の日は8時間を超えて労働した時間

2 1週の法定時間外労働

労使協定で1週40時間を超える時間を定めた日はその時間、
それ以外の週は40時間を超えて労働した時間(1で時間外労働となる時間は除く)

3 対象期間の法定時間外労働

対象期間の法定労働時間の総枠(40時間×対象期間の暦日数÷7)を超えて
労働した時間(1または2で時間外労働となる時間を除く)

【途中採用者・途中退職者等の賃金精算】

対象期間より短い期間労働した者に対しては、
使用者はこれらの従業員が実際に勤務した期間を平均して
週40時間を超えて働いた時間に対して、
次の計算式により割増賃金を支払うことが必要です。
割増賃金の精算を行う時期は、途中採用者の場合は対象期間が終了した時点、
途中退職者の場合は、退職した時点となります。

なお、転勤等により対象期間の途中で移動により労使協定の対象となった場合や、
逆に対象外となった場合についても精算が必要になります。

割増賃金を支払う時間 = 実勤務期間における実労働時間
- 労働基準法第37条の規定に基づく割増賃金の支払いを要する時間
- (40×実労働期間の暦日数÷7)

なお、労働基準法第37条の規定に基づく割増賃金の支払いを要する時間とは、
上記【割増賃金の支払い方は?】の1、2で解説した、
1日・1週の法定労働時間外労働に該当する時間を指しています。

【育児を行う者等に対する配慮】

1年単位の変形労働時間制を導入する場合においても、
育児を行う者、老人等の介護を行う者、職業訓練または教育を受ける者
その他特別の配慮を要する者については、
これらの者が育児等に必要な時間を確保できるよう配慮しなければならないとされています。

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