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中野人事法務事務所中野 泰(なかの やすし)

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経営が苦しくなった時に思い出していただきたい解雇等に関するルール 5

解雇に関するルール、第5回です。

これまで取り扱った内容については、
下記のリンク先でご覧ください。

1 解雇が禁止されているケース
2 解雇の効力

3 解雇の手続
4 解雇事由

5 整理解雇
6 退職勧奨

7 勤務成績を理由とする解雇

今回は厳密にいうと解雇ではありませんが、
雇用期間を定めて契約する、有期労働契約の
雇止め(期間満了に伴う雇用契約の終了のこと)について、
厚生労働省発行のパンフレットを
若干ですが読みやすいように改変・追記して、
皆様にご紹介致します。

8 有期労働契約の雇止め

有期労働契約(期間の定めのある労働契約)については、
契約の締結時や期間の満了時における
紛争を未然に防止するため、
労働基準法の規定により、
締結時に書面の交付により「更新の基準」を
示すこととされているほか、
使用者が講ずるべき措置について、
「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」が
定められています。

【法令】

有期労働契約の締結時には、
契約期間とともに「期間の定めがある労働契約を
更新する場合の基準」についても、
書面の交付によって明示しなければならない事項となります。
(労働基準法第15条、労働基準法施行規則第5条)

具体的に明示すべき内容としては、
下記の通りです。

1 「更新の有無」の具体的内容の例

  ★自動的に更新する
  ★更新する場合があり得る
  ★契約の更新はしない 等

2 「判断の基準」としての具体的内容の例

  ★契約期間満了時の業務量により判断する
  ★労働者の勤務成績、態度により判断する
  ★労働者の業務を遂行する能力により判断する
  ★会社の経営状況により判断する
  ★従事している業務の進捗状況により判断する 等

「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」の
主な内容は、次のとおりです。

1 有期労働契約が3回以上更新されているか、
  1年を超えて継続勤務している有期契約労働者について、
  有期労働契約を更新しない場合には、
  少なくとも30日前までに予告をしなければなりません。
2 雇止めの予告後に労働者が雇止めの理由について
  証明書を請求したときには、
  遅滞なく証明書を交付しなければなりません。
3 有期労働契約が1回以上更新され、かつ、
  1年を超えて継続勤務している有期契約労働者について、
  有期労働契約を更新しようとする場合には、
  契約の実態及び労働者の希望に応じて、
  契約期間をできる限り長くするよう努めなければなりません。

参考 有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準

「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」は
労働基準法に基づく厚生労働大臣の告示であり、
雇止めの手続等について定めています。
罰則はありませんが、労働基準監督署において
遵守のための指導が行われます。

労働契約法による規制

有期労働契約であっても、
期間の定めのない契約と実質的に異ならない
状態に至っている契約である場合や、
反復更新の実態、契約締結時の経緯等から
雇用継続への合理的期待が認められる場合は、
労働契約法の規定により、
雇止めが認められないことがあります。

【法令】

まず、下記の2点のいずれかを
満たしているかをご確認ください。

1 有期労働契約が反復更新されたことにより、
  雇止めをすることが解雇と社会通念上
  同視できると認められる場合
  (契約の更新手続きをいい加減にしていると、
   この要件に当てはまりやすくなります。)
2 労働者が有期労働契約の契約期間の満了時に
  その有期労働契約が更新されるものと
  期待することについて
  合理的な理由が認められる場合
  (「普通にやっていれば更新するから」等と
   安易な発言をしないようご注意ください。)

上記の要件のいずれかに当てはまる場合で、
なおかつ、次の要件にも当てはまる場合、
雇止めは認められません。

1 使用者が雇止めをすることが、
  客観的に合理的な理由を欠き、
  社会通念上相当であると認められない。
  ⇒「客観的に合理的な理由」「社会通念上相当」
   という文言は、労働契約法の
   解雇の判定基準に出てくる文言と同一です。

2 労働者からの有期労働契約の
  更新の申込みがされている。
  (契約期間満了後でも遅滞なく申込みをすればOK)

雇止めが認められない場合、
使用者は、従前の有期労働契約と
同一の労働条件で労働者による有期労働契約の更新
または締結の申込みを承諾したものとみなされ、
有期労働契約が同一の労働条件
(契約期間を含む)で成立します。
(労働契約法第19条)

労働者からの更新の申込みは、
使用者による雇止めの意思表示に対して
「嫌だ、困る」と言うなど、
労働者による何らかの反対の意思表示が
使用者に伝わるものでもかまわないと解されます。

この規定は、雇止めについて、労働者保護の観点から、
一定の場合に解雇に関する法理を類推適用して
雇止めの可否を判断するとの確立した
判例上のルール(雇止め法理)が条文化されたものです。

最後に、雇用期間中に会社側の都合で
雇用契約を終了させると「解雇」になります。

有期雇用契約の解雇のハードルは、
一般に期間の定めのない契約をしている正社員の
解雇のハードルよりも高いとされています。

これは、正社員と異なり、
契約期間の終了日が決まっているにもかかわらず、
それよりも短い期間で雇用契約を終了させるからには、
それ相当のやむを得ない理由がないとダメだ、
という考えが背景にあるためです。

「アルバイトだから」「パートだから」と
安易に解雇をしていると、
アルバイトやパートとトラブルになった際、
法的には劣勢に立たされかねません。
ご注意ください。

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