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キャバクラ嬢は労働者か

昨日の夕方のテレビニュースで「フリーター全国一般労組」と、その分会であるキャバクラ嬢達の労働組合「キャバクラユニオン」との活動を紹介していました。

 

 番組では、キャバクラ嬢達がセクハラや不当な罰金制度で苦しんでいる実態が紹介されていました。

また、危険を顧みず夜の歌舞伎町をデモ更新する姿が映し出されていました。

 私は、今まで何の保障もなく夜の世界で不当に苦しんできた彼女らが勇気を振り絞って声を上げたのは多いに結構なことだと思います。

むしろ、今までなぜ声を上げなかったのか不思議なくらいです。

今まで、彼女らは自身が労働者であるという意識が無かったのでしょう。

さて、ここで問題です。

果たして、キャバクラ嬢は労働者と言えるのでしょうか?

番組内で、「フリーター全国一般労組」の役員がキャバクラ店長に対して「罰金の制度は、労働基準法第16条定められた賠償予定の禁止に違反するので無効です」と言い寄る場面がありました。

労働基準法上の労働者に該当すれば、当然、罰金の制度は無効となります。もっとも、罰金制度は、仮に彼女らが労働基準法上の労働者に該当しないとしても民法上の公序良俗に反する行為ということで無効になりそうですが。

労働基準法上の労働者」とは「職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者」を指します(労働基準法第9条)。

同条の字面だけから判断すると、キャバクラ嬢は労働者と言えそうですが、旧労働省は1985(昭和60)年の労働基準法研究会報告において、労働者性について、以下のように判断基準を示しました。

1.「使用」性について
(1)仕事の依頼等への諾否の自由の有無
(2)業務遂行上の指揮監督の有無
(3)勤務時間・勤務場所の拘束性の有無
(4)他人による代替性の有無

2.「賃金」性について
報酬額が労務提供の時間の長さに応じて計算される場合は、賃金としての性格が強くなる

3.その他
(1)
機械・器具(キャバクラ嬢の場合は衣装ということになりましょうか)を自己負担している、報酬が高額である等の場合は労働者性が薄れる。
(2)他社での就労が制限される場合は労働者性が強まる。
(3)報酬から所得税や社会保険料が源泉徴収されている場合は労働者性が強まる。

これらを総合判断して、労働基準法上の労働者性を判断することになりますが、キャバクラ嬢にあてはめてかんがえると・・・概ね該当しそうな気がします。

源泉徴収に関してはどうでしょうか。ひょっとすると、所得税は個人事業主ということで、源泉徴収されているかもしれませんが、社会保険料を源泉徴収しているキャバクラなんて存在するんでしょうか?

そもそも、労働保険や社会保険に加入しているキャバクラって存在するんでしょうか?

仮に、雇用保険に加入しているキャバクラがあるとします。そこへ母子家庭の母親が職安経由で就職すると、特定求職者雇用開発助成金の対象となります。

入社後、5ヵ月程度で職安から同助成金の申請書類一式が送られてきますが、ここで注意しなければならないのは、彼女を総請負給で雇用すると、せっかく助成金を申請しても審査の段階で「総請負給では雇用保険に加入できる労働者ではなくて個人事業主です。したがって助成金の申請は受け付けません」と申請を拒否されてしまいます。

私の経験からすると、総請負給のトラック運転手は、たとえ会社のトラックで仕事をしていても、助成金の対象にしてもらえません。

裁判になれば勝てると思いますけど・・・

総請負給であっても最低補償級の定めや労働時間の縛りがあれば、雇用保険に加入できる労働者として認めてもらえるようですが。

それから、労働者性の概念は労働基準法上のみにならず、労働組合法上、労働契約上の概念もありますが、キャバクラ嬢は労働組合法上も労働契約法上も労働者として保護されそうです。

労働組合法・労働契約法に該当する労働者かどうか、に関しては以下の記事をご参照ください。
キャバクラ嬢が労働組合結成!!

労働基準法上の労働者性の判断基準に関しては、以下の書籍を参考にしました。

旧労働省の労働基準法研究会報告による労働基準法上の労働者性判断基準は以下の書籍に詳しく書かれていますが、既に廃刊、古本の残り一冊は私が買ってしまいました・・・申し訳ありません。

 

 今後はキャバクラ嬢の雇用管理をきちんと行い、社会的責任を果たしたいとお考えのキャバクラ経営者様はコチラからお問い合わせください。組合対策も対応します。

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