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会社法・商業登記入門第17回「株式譲渡・名義書換の手続~株券発行会社と株券不発行会社の違い~」

こんにちは。中央区の司法書士の大越です。

このコーナーでは、平成18年5月1日に施行された会社法及びそれに関する商業登記について、平易な言葉で分かりやすく説明していきます。
毎回テーマを決め、これから起業を考えている方および現在会社を経営している方にも役立つ情報を提供していきたいと考えています。

第17回は、「株式譲渡・名義書換の手続~株券発行会社と株券不発行会社の違い~」について説明します。

1.会社法下での株式譲渡手続
 会社法下でも、後述する譲渡制限規定がある場合を除き、株式の譲渡は自由です(会社法127条)。
 但し、株券発行会社と株券不発行会社では、譲渡手続が以下の通り異なります。
 なお、株券発行会社である旨は登記簿に記載されています(会社法911条3項10号)。その記載がない会社は、株券不発行会社です。
 この点、会社法施行前は、株券不発行会社である旨が登記簿に記載されていました。
 会社法施行前から設立している会社については、株券不発行会社である旨の登記をしている会社を除き、会社法施行時に法務局の職権で、株券発行会社である旨の登記がされています(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律76条4項、同法136条12項)。
 株式譲渡は、譲渡人(株主)と譲受人(株式取得者)との間の契約なので、原則として当事者間の自由ですが、会社の登記簿の状態によって必要な手続が異なりますから、事前に当該会社の登記簿謄本を取得して、記載内容を確認してください。

①株券発行会社の場合
 株式譲渡契約の締結という当事者間の意思表示に加え、株券の交付が必要です(会社法128条)。中小企業の場合、株券発行会社であっても、実際には株券を株主に対して発行していない会社が多いです。
 しかし、株式譲渡をする場合には、株券を会社から発行してもらい、株式取得者に交付しなければ、株式譲渡の効力が生じないので注意してください。

②株券不発行会社の場合
 株式譲渡契約の締結という当事者間の意思表示だけで、株式譲渡の効力が生じます。株券が無いので、株券を交付する必要がありません。
 ちなみに、株券不発行会社の場合、株券が無いので、株主であるかどうかは株主名簿の記載で判断するしかありません。
 とはいえ、株主名簿は会社が保管するものなので、株式取得者は会社に対し、株主名簿記載事項証明書の交付を請求することができます(会社法122条)。
 
2.株式譲渡承認手続
 前述の通り、株式の譲渡は原則自由ですが、譲渡制限規定のある会社の場合、会社の承認が必要です。現在、上場会社以外の会社の9割近くが、譲渡制限規定を定めています。会社が望まない第三者に株式保有されることを防止できるからです。
 一般的な譲渡承認手続の流れは以下の通りです。
 ①株主又は株式取得者から、会社に対する譲渡承認請求(会社法136条、137条)
  *株券を併せて提出します。
  *株券不発行会社の場合は、株主と株式取得者が共同で承認請求します。
 ②法令又は定款に定めた承認機関(取締役会等)で会社が承認の可否を決定(会社法139条)
 ③会社が決定した内容を譲渡承認請求者に対して通知
  
3.株式名義書換手続
 株式取得者は、会社に対して株主名簿に自己の名前等を記載すること(以下「名義書換」といいます。)を請求できます(会社法133条)。
 株式譲渡の手続が完了しても、名義書換が完了しなければ、会社に対して当該株式譲渡の効力を対抗することができません。会社に対して議決権行使や配当の受領を求めるためにも名義書換は必ず行うようにしてください。
 名義書換の請求は、株券発行会社の場合、株券を提示することによって、株式取得者から単独で行うことが可能です。
 一方、株券不発行会社の場合には、株主名簿記載の株主と株式取得者が共同して行う必要があります。

4.まとめ
 上場会社の場合には、株券を証券保管振替機構(通称:ほふり)が預かります。
 したがって、私達一般人は、インターネット等で証券会社を通じて株式の購入手続をすれば自動的に株主になり、逐一名義書換等の手続は不要です。
 他方で、上場会社又は上場会社に準じる会社では、信託会社等を株主名簿管理人として設置しており、細かい株式事務は株主名簿管理人が行うのが一般的です(会社法123条)。
 しかし、中小企業の場合には、株主、株式取得者及び会社がそれぞれ上記の手続を自分達で把握して行う必要があります。
 そして、その手続は株券発行会社と株券不発行会社で大きく異なりまし、作成すべき書類も多いです。
 したがって、中小企業で株式譲渡を検討されている会社は司法書士等専門家にご相談されることをお勧めします。
 次回は、「株券電子化とは?」を予定しています。

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