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中野人事法務事務所中野 泰(なかの やすし)

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有給休暇を前倒し付与した場合、翌年度の付与はどうなるか?

4月1日に入社の社員がいます。
有給休暇の付与日や付与日数について、労働基準法通りに運用した場合、
入社日の6か月経過日である10月1日に10日の有給休暇が付与されます。

ところでこちらの会社では8月に夏季休暇を予定しています。

8月第2週の月曜日から水曜日までの3日間が夏季休暇。
さらに、木曜日と金曜日は有給休暇の計画的付与により、お休み。
土日の休みを挟んで連続9日間の夏休みを取る会社なのです。

そこで、10月1日に付与予定である10日のうち、
2日間を前倒しして付与することで、対応をしようとする場合、
いつの時点で何日の有給休暇を付与すればよいのでしょうか?

この事例のように、有給休暇の一部を前倒しして付与することを
「分割付与」と言います。

8月に2日間分割付与するのですから、
10月1日は残りの8日間を付与することになります。

これで話がおしまいであれば簡単なんですが、
この分割付与は翌年度以降にも影響を与えます。

仮に分割付与した日が8月15日だとすると、
翌年度以降は8月15日が有休付与の基準日となるのです。

なお、分割付与を実施する場合は、
次の要件を満たす必要があります。

1 年次有給休暇の付与要件である8割出勤の算定において、
  短縮された期間は全期間出勤したものとみなすこと。
2 次年度以降の年次有給休暇の付与日についても、
  初年度の付与日を法定の基準日から繰り上げた期間と同じ
  又はそれ以上の期間を法定の基準日より繰り上げること

これらを踏まえ、翌年度の基準日となる8月15日には
11日の有給休暇を付与することになります。

<翌年度の8月15日に2日間付与、
  10月1日に9日間付与という運用について>

複数の労働基準監督署、都道府県労働局などに確認を取りましたが、
この運用については否定的な見解が多数を占めています。

否定的な見解の考え方は次の通りです。

1 分割付与は初年度に限り認められたものであり、
  2年目以降に分割付与という概念はない。
2 あくまで基準日は最初に有給休暇を付与した日。
  初年度に何日付与したかということには関係なく、
  2年目の基準日には法で定めている有給休暇日数を
  丸ごと付与しなければならない。

中には上記の運用も望ましくはないが法違反ではない、
という見解を示す人もいました。
また、インターネットで検索すると、
平成6年5月31日付基発330号を根拠に挙げて
上記の運用で構わないとする見解もあります。

白黒がバシッとついているわけではないようですが、
「君子危うきに近寄らず」で、
2年目以降も分割して付与する考え方は避けた方が無難かと存じます。

<実務上の対応方法>

さて、このような運用が待っているとなると、
正直、有給休暇の管理が煩雑になるかと存じます。

そこで、実務上は次のような対応をしているケースが多いです。

1 上記の例で言う夏休みの「2日間」は
  労働基準法に定めている有給休暇の前倒しではなく、
  会社独自の有給休暇として付与する。
  →労基法上の有給休暇はあくまで10月1日に10日付与。

2 斉一的付与を活用する。
  (全員一律の有休付与日を設けます。
   ただし、付与日の設定に留意して、
   法の要件を下回らないようご注意ください。)

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