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フジサンケイビジネスアイ 特別コラボ企画

【労務管理の落とし穴⑭ 社員が行方不明、解雇できる?】

 震災時に限ったことではないのですが、社員が突然出社しなくなってしまい、会社からの電話やメールにも応答しない。自宅に行ってみても鍵がかかっていて、管理人や近所の人、実家に連絡してみても行方がわからないというようなケースが実際に発生することがあります。今日はそんな事例を見てみます。

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 A社長「先生、うちの社員が先月から出社しなくなりまして、もう3週間です。電話もつながりません。自宅に行ってみても引っ越した様子はなく、郵便受けに郵便物がたまっています。近所の人や実家に連絡しても全く行方がわかりません。これ以上持てないので、懲戒解雇しようと思います」
 社労士「何か、トラブルなど思い当たることはありませんか?」
 A社長「いいえ、特にありません。直前まで元気でしたし、他の社員も全く心当たりがないようです」
 社労士「困りましたね。御社は労働者が10人未満ということで、就業規則を作成していませんでしたし、解雇といってみたところで、その意思表示が相手に届かなければ効力が発生しないんですよ。郵便受けに郵便がたまっているようですし、解雇通知が届いたというのも無理があります」
 A社長「それでは、もし戻ってきたら席を用意しなければいけないということですか。そんな...」
 いかがですか。もし就業規則が作成されていて、「社員が行方不明になり、1カ月以上連絡が取れず、会社に出社しない場合は自主退職扱いとする」というような規定が存在すれば、トラブルは避けられそうですが、今回のケースで補充の社員を採用した矢先に、元の社員が帰ってきてしまったらまさに悲劇です。

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 しかし、このような場合にも全く手がないわけではありません。それは「公示送達」という方法です。
 これは、簡易裁判所に申し立てて裁判所に掲示してもらい、掲示したことを官報や新聞などに掲載することで、その掲載日から2週間経過したときに、社員に解雇の意思表示が到達したものとみなされる制度です。
 しかし、この場合でも解雇の30日以上前に予告するか、不足する日数分の解雇予告手当を支払う必要があります。これについては労働基準監督署長に「解雇予告除外認定」をもらうことで回避することは可能ですが、ただ手続きをすれば認定がもらえるわけではなく、実体も含めて総合的に判断されることから簡単ではありません。
 また、官報の公告についても、発売日が決まっている関係で、掲載を申し込んでから掲載されるまでに時間がかかることも多いようです。このように、手間と時間、コストがかかってしまいますので、できる限り早めに就業規則を作成し、行方不明の場合の規定を入れておくことが無難です。震災後の今だからこそ、もう一度就業規則を確認しておきましょう。

アストラット株式会社

 若くてフットワークが良いスタッフを中心にお客様のサポートを行っています。 新しいことにどんどんチャレンジするスタッフが多く「それはできません」という仕事が少ないのが当社の特徴です。
 弁護士や会計士、税理士、司法書士、社労士、中小企業診断士、行政書士、ファイナンシャルプランナーと社内にほとんどの専門家が常駐していることから、本当に必要なサービスを一ヶ所で受けることができる便利さが喜ばれています。

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