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フジサンケイビジネスアイ 特別コラボ企画

【労務管理の落とし穴⑱ 接待で残業代を請求する部下】

 地震の影響で売り上げが落ち込み、全社的に営業に力を入れようと意気込んでいた矢先、こんな問題が浮上しました。今まで接待を担当するのは部長以上の管理職か営業部員に限られていましたが、たまたま営業に行っていたS社の購買担当者が、自社の総務部のBさんの友人だということがわかり、突如Bさんも接待に加わることになりました。

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 社員B「課長、先日の接待がうまくいきまして、S社との仕事がまとまったということです」
 課長「それはおめでとう。がんばったね」
 社員B「ありがとうございます。これも接待に同行するように行ってくださった課長のおかげです。そこでですが、当日の残業代を頂けないかと」
 課長「えっ、うちの営業部の社員だって接待の残業代は請求していないわけだし、おいしいものが食べられたんだからこのぐらいいいじゃない」
 社員B「いえいえ、ちゃんと仕事をしたわけですから、もらうものはきちんともらいますよ」
 課長「これじゃ予算が...。今度ご飯おごるから勘弁してよ」
 社員B「いいえ、ダメです!」
 いかがでしょうか。仕事とはいえ、友人の接待なのですから半分くらい私的な目的もあるように思えます。
 労働時間には直接的に労働していた時間だけでなく、使用者の指揮命令下の手持ち時間や移動時間なども含まれます。夜の接待が労働時間にあたれば残業になりますので、営業部員のようにみなし労働時間制や定額の手当てを支給されているなどの対応がない限り、残業代の支払いが必要になってきます。
 Bさんが、単に友人との私的な飲食をしたのであれば、今回のように会社が飲食代を負担することはないでしょうし、ましてや仕事を前提とした接待であれば会社の指揮命令下にあったと考えるのが自然です。しかも課長がしっかりと接待に行くように指示していることからも会社側の完敗です。手当てなどの対応もないことから、結論としてBさんは残業代をもらう権利があることになります。

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 今回のおいしい食事と残業代は、契約締結に協力したBさんへのご褒美としてちょうど良いのかもしれません。しかし、いくら全社的に営業に力を入れるという方針だからといって、何の対策も講じずに事務職の社員に営業を命じているようであれば、後々多額の残業代の支払いをしなければいけないことになりかねず、とても危険な状態といわざるを得ません。また、きちんと就業規則や時間外労働に関する協定書(36協定)を作成していたとしても、平常時に最適化されたままでは労務リスクを防ぐことはできないのです。
 社員の労働時間や業務が大きく変わるときには、必ず労働関係の対応の必要性について、専門家を交えて検討することが重要です。

アストラット株式会社

 若くてフットワークが良いスタッフを中心にお客様のサポートを行っています。 新しいことにどんどんチャレンジするスタッフが多く「それはできません」という仕事が少ないのが当社の特徴です。
 弁護士や会計士、税理士、司法書士、社労士、中小企業診断士、行政書士、ファイナンシャルプランナーと社内にほとんどの専門家が常駐していることから、本当に必要なサービスを一ヶ所で受けることができる便利さが喜ばれています。

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