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フジサンケイビジネスアイ 特別コラボ企画

【労務管理の落とし穴⑩ 遅延証明は遅刻の免罪符?】

 突然の降雪、突風の影響など、さまざまな理由で電車が遅れて遅刻を余儀なくされることがあります。遅刻が本人の責任でないということで、多少は大目に見ている会社もあるのでしょうが、それも度を超すと問題です。今回はそんなお話です。

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 A社長「先生、今まで遅延証明を持ってきた社員については、遅刻扱いにしないようにしていたのですが、これは変更できますか?」
 社労士「はい。労働者にも使用者にも責任のない不可抗力によって労務を提供ができない場合、民法536条の危険負担によって債務者負担が原則になります。労務提供の債務を負うのは労働者ですから、その損失は労働者が負うことになり、賃金の支払いは受けられないのが原則です。ノーワーク・ノーペイの原則とも言えます。」
 A社長「それではさっそく給料をカットします!」
 社労士「だいぶお怒りのようですが、突然こんな話が出るということは何かあったのですか?」
 A社長「実は、ここのところ他の社員が誰も遅刻していないのに、1人だけ1週間のうち3日も遅延証明をもらって堂々と遅刻してくる者がいまして、他の社員からクレームが出ているのです。」
 社労士「実際に変更するのであれば、就業規則の修正が必要ですが、他の遅刻をしないまじめな社員から不満が出る場合が多いのであまりお勧めできません。問題を起こすのが特定の人なのであれば、厳重に注意して遅刻を改めさせ、それも改善が見られなければ懲戒の規定を適用していくのが現実的だと思いますよ」

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 いかがでしょうか。もともと不可抗力で遅刻せざるを得ない社員の給与をカットするのが忍びないということで、遅延証明があれば遅刻として扱わないことにしたのでしょう。他にも、病気で会社を休むときなど、たとえ当日申請でも有給休暇の申請を認めている会社もあるかと思います。これも事前申請が原則なので、会社に認める義務はないにもかかわらず、給与がカットされるのがかわいそうということで特別に認めているものだと考えられます。
 しかし、これらを悪用する人が現れると、ついつい労働者に有利な扱いは止めてしまおうということになりがちです。一部の人たちの心ない行動で、何も悪いことをしていない他の社員に悪影響が及ぶのは何としても避けたいところです。
 安易に制度を変更してしまうのではなく、多少面倒でも、実際に問題のある行動を起こしている人に対して直接教育を行うことが重要です。制度があるのだから「権利」があるのだと勘違いしているケースが多いので、その制度ができた経緯や、制度がなくなった場合にどうなるかまできちんと説明すると、意外と納得して改善してもらえることが多いようです。

アストラット株式会社

 若くてフットワークが良いスタッフを中心にお客様のサポートを行っています。 新しいことにどんどんチャレンジするスタッフが多く「それはできません」という仕事が少ないのが当社の特徴です。
 弁護士や会計士、税理士、司法書士、社労士、中小企業診断士、行政書士、ファイナンシャルプランナーと社内にほとんどの専門家が常駐していることから、本当に必要なサービスを一ヶ所で受けることができる便利さが喜ばれています。

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