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【労務管理の落とし穴(43) GPSで社員を監視】

 最近では携帯電話やスマートフォン(高機能携帯電話)に、GPS(衛星利用測位システム)機能が付いたものが多くなってきました。会社が社員に携帯電話を支給している場合、このGPSと専用のシステムを使えば社員がいつ、どこにいるかを調べることも技術的に可能になってきています。

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 実際、ほとんどのタクシーには、効率的な配車を実現するためにGPS装置が装備されていて、車がどこにいるかが常時会社に把握されています。
 では、会社の営業車にこっそりGPS装置が取り付けられていたとしたら皆さんどう感じますか?
 もちろんプライバシーの侵害になる部分も出てくるでしょうが、そもそも会社の所有物である営業車にどんな装置を取り付けようと、原則として会社の自由ですし、いちいち社員の承諾を取る性質のもでもありません。また社員も、通常の営業時間内であれば会社の指揮命令下にあるわけですから、「今どこにいるの」と聞かれれば答える必要もあるでしょう。営業車が盗難にあった場合には探し出す手がかりになったり、効率的な業務ローテーションを組んだりするなどのメリットがあるのも事実ですので、会社側に軍配が上がりそうです。
 会社の許可を得て業務時間外に私用で営業車を使っていたときまで、どこへ行っていたかを興味本位で会社に調べられたなど、特殊な場合であれば問題になるでしょうが、会社の営業車にGPS装置を取り付けたからといって、社員がプライバシーを問題にすることは難しそうです。
 ところで、会社はなぜ営業車にGPS装置を取り付けようと思ったのでしょうか。おそらく、営業車でパチンコに行ったり、適当に暇をつぶして帰ってくるような、あからさまなサボりを防止したいという気持ちが少なからずあるのかもしれません。これはきちんと働いている社員からもクレームが出ることが多い項目ですし、会社としてもきちんと社員を管理して、何らかの対応ができるようにしておきたいのもわかります。


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 それであれば、こっそりGPS装置を付けるのではなく、いつから取り付けるということを社員にきちんと伝えておく方がよっぽど目的にかないます。社員のほうも不意打ちを受けて突然懲戒処分を受けることもなくなりフェアですし、モチベーションの維持の観点からも事前の告知は重要です。
 また、社員を細かく管理しすぎるとストレスがたまって体調を崩したり、場合によっては過労運転によって事故を起こしたりすることも考えられます。会社も、実際に管理する際には適度な「あそび」を持たせて、あまり厳しい締め付けにならないよう運用面で十分注意する必要があります。
 かえって会社と社員との関係がぎくしゃくするようでは本末転倒です。

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