裁判員の日当と有給休暇
平成21年5月21日にスタートした「裁判員制度」ですが、報道によれば、8月上旬にも、東京地裁、さいたま地裁で、初めての裁判員裁判が行われそうな模様です。
従業員が裁判員等に選ばれた場合、会社は従業員に「裁判員休暇」などを与えることとなります。この休暇制度についてや、休暇中の給料が「有給」か「無給」かは、それぞれの会社の就業規則等に定めることとなっています。
「裁判員等へ支払われる日当等と給料等」についてですが、
(1) 従業員が、裁判所へ出向く日に有給休暇を取って、裁判員として裁判に参
加し、日当と給料の両方を受け取ると、報酬の二重取りになるのでは?
裁判員には1日1万円以内、裁判員候補者には1日8千円以内の日当が
支払われます。
(日当とは別に、旅費が支払われます。また、遠方等で宿泊が必要な人の
場合は、宿泊料が支払れることもあります)
この日当は、裁判員としての職務等を遂行することによる損失(例えば、保
育料、その他裁判所に行くために要した諸雑費等)を一定の限度内で弁償・
補償するもので、裁判員等としての労働の対価(報酬)ではありません。
よって、日当と給与の両方を受け取ることは二重取りにはならず、問題あり
ません。
(2) 従業員が、裁判員のための特別の有給休暇を取得した場合、裁判員とし
て受けた日当を会社へ納めさせることができるか?
就業規則等に「裁判員として受けた日当は会社に納める」という規定を置
いた場合、その規定によって実質的に従業員が不利益を被るような場合は、
裁判員法第100条が禁止している不利益取扱いに該当する可能性があり
ます。
例えば、受けた日当が1万円で、特別の有給休暇に支払われ給料額が6
千円の場合、日当を会社へ納めることによって、従業員は4千円の不利益を
被ることになります。
(3) 従業員が、裁判員のための特別の有給休暇を取得した場合、給料額から
裁判員として受けた日当の額を差し引くことができるか?
裁判員のための特別の有給休暇としているにもかかわらず、給料額から裁
判員の日当を差し引くことは一般的には認められません。
なお、例えば、従業員が、裁判員のための特別の有給休暇を取得した場
合に、1日分に相当する給料額が1万5千円で、日当相当額が1万円の場
合、差額の5千円を支給するように、給料額と日当相当額の差額を支給する
ような裁判員のための特別の有給休暇制度は問題ないと考えられます。
(法務省 裁判員制度資料 参照)



