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2009年8月25日

PCT出願における国際段階の調査・審査

PCT出願では、特許取得を図る各国への手続の前に、国際段階における先行技術調査・見解についての報告を得ることができます。

PCT の国際段階で得られるこれらの報告をどのように考えるかということは、どのような手続を行うかという具体的な判断のために重要です。

国際調査報告や予備審査報告については、拘束力の無い予備的なものであり、各国の審査では、この報告に全く縛られることはありません。この原則を重視して、国際段階の報告を軽視する立場もあり、一定の説得力はあります。この場合、19条補正や34条補正を考慮する必要性はきわめて小さいといえます。これまでの書き込みでもそのような立場を強く意識しています。

いっぽう、拘束力が無いとは言え、特許調査力の低い国では、国際段階の報告はそれなりに重視されるのも事実です。大まかな印象を敢えて申せば、日本・米国・欧州・韓国・中国以外の国では、国際段階の報告書は、事実上、相当な影響力があると考えます。そういった国々での特許取得をスムーズにされたい場合には、19条補正や34条補正を活用して、肯定的な報告書を得ることに注力してもよいと思います。

栗原特許事務所
栗原弘幸