大日寺密教アカデミーのお誘い
私が通っているお寺(高野山真言宗)のお師僧(大栗道榮師)は、かつて「最後の相場師」と呼ばれる故是川銀蔵氏と講演をした折、是川氏から「無敵の投資家になれる」と絶賛されたそうです。是川氏は証券業界では知らぬものはいない著名な相場師です。「実践派エコノミスト」を自任、質素な生活を送りながら社会福祉事業にも注力し、私財14億円を拠出し是川奨学財団(交通遺児等奨学金)を設立されたりしました。株式投資の格言や心得も多く残され、お師僧には「株では生涯不敗」と話されていたそうです。
実はお師僧も若き日はベンチャー経営者として活躍、「実践派経営者」でもあるのです。その折信頼していた友人が手形詐欺に騙されお師僧は、個人保証がないにも関わらず、道理を重んじ現在のお金で数十億円にも及ぶであろう借金を背負う道を選びます。そこから僅か3年で復活、鮮やかな経営手腕と志のさわやかさに、借金返済に訪れた28社中6社が、月額100万円(当時)で経営コンサルを依頼したといいます。
そうした資金で研修道場である代々木八幡・大日寺を建立されました。
お師僧の経営論は「道理に叶う経営をすると自然に豊かになる」です。そして「真言密教は宗教というよりは道理、宗派を問わず学んでもらいたい」とのお考えです。この道理を説いた書物が「よく働き、よく生きる(幻冬舎)」、私も当初は「初心者向けの道徳の本」と思っておりましたが、実際はお師僧の強烈な経営体験に裏打ちされた文章と知りました。特に経営者にはぜひご一読をお勧めいたします。
お師僧は講演でも、仏教用語を使わず、密教の道理を分かり易く伝えようとされます。この道理を是川氏は「私の投資手法と同じだ」と評したのです。是川氏は「これだ!」と思う会社を見つけると私立探偵を雇い、経営者の日常を調べるのだそうです。経営者の生活が道理に叶っていれば、一時的な浮き沈みはあっても会社は成長を続け、逆に道理に外れた経営者は、目先の勢いはあってもいずれ転げ落ちるのだそうです。上場会社の経営も楽ではないようですね。
私は弟子の端くれ、ビジネスパーソン向けに2月から月一回土曜日、「大日寺密教アカデミー」の開催をお願いし、お師僧からご快諾を頂きました。これまで述べてきました経営の道理に留まらず、真言密教の瞑想法である阿字観法をご紹介し、直観力を養成して頂きたいと思います。ご希望があればややマニアックですが、理趣経を読んでみたいと意欲的なカリキュラムを考えております。経営を熟知し僧侶指導の第一人者でもある導師により、楽しく有意義に、少し本格的に真言密教を体験できれば、と願っております。
私はこの平成20年を、日本経済が底入れするチャンスと見ています。逆にここを逃せば日本は、世界の一流国としての地位を失うかもしれません。こうした見方の半分は経済分析に基づいておりますが、もう半分は危機感が私を駆り立てている面もあります。自分が行動する前提で考えを進めないと、もう状況は改善されない気がします。
今の時代が経営者に求める能力は、国際通(海外戦略が描ける)、経営通(大事業を構想し推進できる)、人間通(人を動かせる)の3点と思いますが、これは弘法大師のお力そのもののように感じます。時代が人を創るともいいます。共に学び、共に大きなビジネスを育てていきましょう。


